第1回 洋菓子のルーツ

カステラ

今、日本のお菓子と思われているカステラ、コンペイトウ、カルメ焼き、ボーロなどのルーツはヨーロッパにあります。

「甫菴太閤記」よるとキリスト教を布教するためにやってきた宣教師は、街頭での伝道の際、集まってきた日本人に、洋酒やカステーラ、ボーロ、カルメル、アルヘイ糖、コンペイ糖など南蛮の珍しい嗜好品を配ったといいます。

織田信長や豊臣秀吉が政権を握っていた安土・桃山時代、特にその後期に外国との交易が始まるとイスパニアやポルトガルの珍しい外国のお菓子が九州地方から入ってきました。

カステラはもとを正せばポルトガル語の[castella, pao de Castella]で、粕貞羅、加寿底良、などと書きました。

金平糖

カルメ焼き

金平糖も砂糖菓子を意味するポルトガル語のコンフェイト[confeito]からきています。
 カルメ焼きはスペイン語の焼き砂糖を意味する[caramelo]に端を発しています。浮石糖、加留女以良などの字をあて、“軽石”のようだと形容しています。
 ボーロもポルトガル語の[bolo]で、房露、復烏留、などと書きました。佐賀県の丸ぼうろ、花保宇留など、いろいろな種類のボーロが生まれました。

ボーロ

福岡の代表的な名物「鶏卵素麺」「玉子素麺」も長崎の唐人から伝授された南蛮菓子の1つです。こうしてみると、甘いもの、おいしいものは450年も前から国境を越え、時代を超えて受け継がれ、愛されてきたことがわかります。

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