フルーツ・シュガー/果糖/フルクトース(Fructose)
フルーツ・シュガーは果物、野菜、はちみつなどに多く含まれる天然の甘味料(化学式C6H12O6の単糖類)です。2糖類の砂糖(蔗糖)はグルコース(ブドウ糖)とフルクトースが結合したものです。19世紀にフランスの科学者が初めて蔗糖からの分離に成功し、フルクトースの存在が明らかになりました。しかし、フルクトースの結晶化が達成されたのは1960年代に入ってから、この時から量産化が可能になりました。
フルクトースの甘さは蔗糖の1.5倍、保湿性や香りを保つ特性があります。ですから、同じ甘さであればカロリーは砂糖の1/3。また、単糖類ですので砂糖のようにビタミンやカルシウムを体内の分解で必要としません。さらにブドウ糖のように代謝にインシュリンを必要としないので血糖値を安定させます。このため、糖尿病患者向けの甘味料として利用されてきましたが、最近は、さっぱりした甘さと素材を引き立てる上品な甘さ、冷水に溶けやすいなどの特性から一般の甘味料として広く使われています。日本では1990年代から清涼飲料水やスポーツドリンクに多く利用され、昨今は大手メーカーが冷菓に利用しています。
果糖をお菓子に利用する場合、焼き色がつきやすい、温度によって甘味が変化する等の性質を理解した上で利用すると良いでしょう。