復活祭

復活祭 パーク Pâques(仏) イースター Easter(英) オースタルン Ostern(独)

製作/鈴木一八氏

製作/鈴木一八氏

復活祭は、ヨーロッパではイエス・キリストが十字架にかけられて死んでから3日目によみがえったことを祝う重要な祝日です。もともとはイスラエルで行われていた過ぎ越しの祭り(旧約聖書「出エジプト記」の記録に由来するユダヤ教の春の祭りです)が、キリスト教が広まる頃、キリストの死と復活を記念する祭りとなったのです。のちにキリスト教がヨーロッパ各地に広まると、布教の都合上、各地に古くからあった春分祭(春祭)とも混ざり合って、現在の復活祭の形になったとされています。復活祭は寒さの厳しい冬が終わり、暖かい春の訪れを喜ぶお祭りでもあります。

これは各国の語源にも表れています。フランス語のPâquesはユダヤ教の過ぎ越しの祭りを表すペサー(Pesach)からきています。英語のEaster、ドイツ語のOsternはゲルマン神話の春の女神エオストレ(Eostre)、あるいは春の月の名前エオストレモナト(Eostremonat)に由来するといわれています。

復活祭にはさまざまな行事が行われます。復活祭のシンボルは卵。子供たちは庭の茂みに隠された彩色したイースター・エッグを探して遊びます。イースター・エッグは茹で卵やチョコレート製、卵形のプラスチックケースにチョコレートやキャンデーが入ったものなどいろいろです。

卵はほとんどの文化で再生の象徴であり、うさぎが彩色された卵を産むという寓話もあります。うさぎをはじめ、鶏、コウノトリ、きつね、カッコウとヨーロッパの復活祭のシンボルはさまざまです。

復活祭が近づくとお菓子屋さんのショーウインドーにはチョコレート製の卵や鶏、うさぎが並び、ベルギーの街では復活祭の間、街中にチョコレートの香りがたちこめるといいます。年間売り上げの半分を復活祭が占めているのです。復活祭は移動祝日で「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」、2006年は4月16日です。

参考文献:「ラルース料理百科事典」(三洋出版貿易株式会社)他

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