ラム [rum](英) ロム [rhum](仏)
さとうきび(甘蔗)を原料とする蒸留酒。通常は、さとうきびの絞り汁を煮詰めて砂糖の結晶を分離し、残りの糖蜜を水で薄めてから発酵、蒸留して作ります。さとうきびの絞り汁をそのまま水で薄めて作ることもあります。
17世紀初め、この蒸留技術を身につけたイギリス人が、西インド諸島のバルバドス島に移住し、さとうきびを使って蒸留酒を作りました。この酒を初めて飲んだ地元の人々は酔って興奮してしまいました。当時、英語で興奮を”rumbullion”、ランバリヨンと言い、語頭のrumがお酒の名前になったといいます。
ラムは産地や製法によりさまざまなタイプが作られています。色で分類するとホワイト、ゴールド、ダーク・ラム。蒸留器から出たばかりのラムは、他の蒸留酒と同じように色はついていません。これを樫の大樽の中で熟成させることによってブロンドや琥珀色になります。風味を基準にしてライト、ミディアム、ヘビー・ラムに分けることもできます。(参考文献:「世界の名酒事典’94年版」講談社/「ラルース料理百科事典」三洋出版貿易株式会社)