ブラン・マンジェ [blanc-manger]
冷たいデザートの1つ。直訳すると「白い食べ物」。アーモンド・ミルクと砂糖をゼラチンで固め、ラムやキルシュを加えて作ります。アーモンド・ミルクは、皮を剥いたアーモンド(ごく少量ビター・アーモンドを使う)をできるだけ細かく砕いて挽き、冷水を加えて伸ばし、これを絞って抽出して作ります。
美食家のグリモ・ド・ラ・レニエールによればブラン・マンジェの起源はラングドック地方にあると言います。彼によれば「モンペリエの素朴な料理女たちの作るブラン・マンジェはすばらしいもので、パリで作られるもので口にあうものはめったにない」のだそうです。彼は「フランス革命前のほんの2、3人の料理人のみがこれを巧みに作るという評判だった。革命以来その秘訣が失われることを懸念」していましたが、その心配は杞憂に終りました。
フランスの有名な料理人アントナン・カレーム(1784-1833)は、『甘味アントルメ論』の中で「(ブラン・マンジェは)きわめて口当たりがよく、しかも充分に白くなければならない。この2つの特質(を備えていることはめったにないが)ゆえに好まれるのだろう」と言っています。
モカ・コーヒー入りやチョコレート、ピスターチ、イチゴ、ヘーゼルナッツ、泡立てたクリーム入りなどさまざまなヴァリエーションが可能とカレームは述べていますから、必ずしも白い色にとらわれることはないようです。
参考文献:「ラルース料理百科事典」(三洋出版貿易株式会社)