パンプルムース

パンプルムース [pamplemousse]

学名はCitrus X paradisi、亜熱帯を原産とする大きな柑橘類で、1700年代に西インド諸島のバルバドスで発見されました。

英語のグレープフルーツはブドウのように数個まとまって実がなる形状からきているといいます。グレープフルーツと呼ばれるようになったのは1800年代で、それ以前、ジャマイカでは英語で“禁断の木の実”とか“小さいザボン、ブンタン(shaddock)”と呼んでいました。Shaddockとは17世紀末に、バルバドス島に立ち寄った司令官の名前で、彼がポメロ(ブンタン)の種をバルバドス島にもたらし、これが地元のオレンジと自然交配したため、shaddockの名前が定着したと言います。ただ、現在でもshaddockと呼ぶ地域はまだありますが、この人名説は疑問視されています。

ポメロは南西アジアを原産とし、マレーシアやインドネシアに自生していました。フランス語のパンプルムースはマライ半島の言葉、pumpulmas(この言葉も他の言語からきているのかもしれないのですが)が語源ではないかと考えられています。これがほとんど変化せずにオランダ語でもpompelmoesになりました。

アメリカには19世紀前半に紹介され、カリフォルニアやフロリダに広まりました。ピンクの実のグレープフルーツが発見されたのは20世紀に入ってからです。主要な生産地はイスラエル、アルゼンチン、南アフリカに及び、日本では殆どが輸入品です。

Alan Davidson「THE OXFORD COMPANION TO FOOD」

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