ポワソン・ダヴリル

ポワソン・ダヴリル [poisson d’avril]

製作/樋口宏司氏

製作/樋口宏司氏

製作/島田 進氏

製作/島田 進氏

エイプリル・フール、4月ばかのことです。4月1日の午前中は罪のない嘘をついたり、からかったりすることが許されています。うっかりその手にのると”エイプリル・フール”であることを明かされて大笑いしたりします。

この風習にはいろいろな説があります。

(1)昔の「春分」の名残。つまり旧暦の新年が新暦の3月25日に始まり4月1日まで続いた。インドでは春分の祭りをHuliといい、最終日の3月31日には無駄な使いをさせて人をばかにする風習がある。(2)ヨーロッパでグレゴリー暦を初めに採用したのはフランス。フランス王、Charles9世は1564年に新年が1月1日に始まることを定めた。新年の贈り物や訪問の習慣は新暦の1月1日にすることになったが一部の人は旧暦を捨てず相変わらず旧暦の新年に当たる4月1日に新年を祝っていた。といっても冗談半分で、ふざけた新年の贈り物や訪問で、笑い話の種を作っていた。この風習が英米国に伝わった。

(2)の風習は廃れていきましたが、これがエスカレートして偽の贈り物をしたり、嘘のことづてで人を担いだりするようになったというのです。

フランスでは担がれた人はpoisson d’avril、4月の魚と呼ばれます。なぜ、魚なのでしょうか? 諸説ありますが、1この時期は魚の産卵期で釣りが禁じられています。そこで釣り好きの人をからかってニシンを贈ったのが始まり…、とか 2この魚とはmaquereau、鯖を指し、鯖は簡単に釣り上げられて利口なイメージがないからとかいわれています。

ポワソン・ダヴリルが近づくとフランスのお菓子屋さんやパン屋さんにはチョコレートの魚やパイが並びます。レストランでは魚の形をしたパイの魚料理がメニューに登場します。参考文献:英米故事伝説辞典(冨山房)

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